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    <title>コラム</title>
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    <title>001　永く永く住み心地のよい家を残すこと</title>
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    <published>2008-08-31T15:00:00Z</published>
    <updated>2011-03-30T06:08:49Z</updated>

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        <![CDATA[<p>住みやすい家とは、どんな家でしょうか。きっとそれは、大きな家でも、ピカピカのきれいな家でもなく、また便利さだけを追求した家でもないでしょう。言わば、住む人がその家の一部分であるように感じられる住まい－。人間と呼吸をともにしているような素材に包まれている家が、本当に居心地がよく住みやすい家だと思います。たとえば、無垢（むく）材の木の床、土壁、和紙や綿素材の壁紙障子、ふすま、木製建具、畳など。昔ながらの日本家屋に使われてきた素材は、素材そのものが湿度調節し、夏の蒸し暑さや冬の乾燥を和らげてくれます。<br /><br /><br />また、自然環境の恩恵に浴する家であってほしいと思います。第一に考えたいのは風通しと採光。風の流れを得るためには、窓を二方向に造ること。風が流れると採光も良くなり、結果として南に窓が取れなくても十分明るい部屋が得られます。しかし、家具などで窓がふさがれていると風も流れず、陽光も入ってこない住み心地の悪い部屋になってしまいます。間取りだけでなく、部屋全体のレイアウトプランをしっかり立てることが必要になります。<br /><br /><br />家具の配置で工夫したいポイントの一つに、家族が集うテーブルがあります。たとえば、スペースが十分でないリビングルームでも、通路の確保や扉の開閉など機能的な条件さえ満たせば、思いきって大きな木のテーブルを置いてみてください。小さな部屋だから小さなテーブルを置く、というよりも、逆に思った以上に部屋が広く見えて、家具の質感がインテリアにゆとりを与えてくれます。ゆとりのあるテーブルでみんなが食事をし、勉強をし、団らんする。これも住み心地につながるプランのひとつなのです。<br /><br /><br />そして、もう一つ大事なことは「らしさ」です。ある家から出てきた人が「その家の人らしいな」と思われたとき、きっとその人は、その家で心地よく暮らしている人でしょう。私の仕事に対して「住んでいる人らしい家になりましたね」と言われたときが、最高に喜びを感じる瞬間です。それほど、その人らしい家を造ることは難しい作業だと思っています。<br /><br /><br />過去の「らしさ」を残しつつ、今の「らしさ」を足して、次世代へと住み継いでゆく。永く永く住み心地のよい家を残すことが、これからの建築やインテリアに求められている課題だと思います。 <br /><br /> </p>]]>
        
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    <title>002　「体感面積」を広げる工夫</title>
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    <published>2008-09-01T15:00:00Z</published>
    <updated>2011-03-30T06:08:49Z</updated>

    <summary>広くてまとまりのない部屋より、小さくても圧迫感のない部屋の方が、住み心地が良い....</summary>
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        <![CDATA[広くてまとまりのない部屋より、小さくても圧迫感のない部屋の方が、住み心地が良い...。その意味は、漠然とでも分かっていただけると思います。でも、実際に敷地や高さに制限がある場合、どのように工夫すれば良いかは、意外と気がつかないもの。そこで、私が実感している、圧迫感を減らすための二、三の工夫についてお話ししましょう。<br /><br /><br />一つは、廊下のような幅のない空間や、トイレ、洗面場、玄関などの区切られた小さな空間は、一般の部屋よりも天井をやや低くする方が、縦長の空間にするよりも、体感的には広く感じられるということです。低い天井の廊下を通ってリビングへ入る方が、さらに開放感が得られるのです。<br /><br /><br />二つ目は、天井と壁に接する部分を隠さないこと。よくキッチンで吊り戸棚が天井までぴったり取り付けてあるのを見かけます。これは使いづらいだけでなく、天井と壁の接点を隠し、部屋に窮屈な印象を与えます。吊り戸棚の上に空間を作ると、そのわずか30〜40cmの奥行きで、部屋がぐっと広がったように見えるのです。<br /><br /><br />でも、この提案に対し、こんな質問を受けることもあります。それは「吊り戸棚の上にホコリがたまらないか？」とか、「収納が減ってしまわないか？」というご意見です。確かにその通りなのですが、ちょっと立ち止まって考えてみてください。天井べた着けのために毎日、圧迫感を感じるよりも、年に1、2回ホコリを取る方がいいと思いませんか。また、脚立に乗らないと取り出せないほど使用頻度の少ないものは、キッチンではなく、他の場所に収納した方が効率的です。<br /><br /><br />システム・キッチンが発達したヨーロッパやアメリカでは、キッチンの吊り戸棚が天井に着いていることはまずありません。天井にべた着けの吊り戸棚は、キッチン後進国の日本ならではの不思議な現象といっても過言ではないでしょう。<br /><br /><br />三つ目の工夫は、木造住宅の場合に限られますが、天井の梁（はり）を見せることです。本来、梁や柱は構造材ですから隠すのが一般的です。でも、高さに制限がある地域では1階の天井高があまり取れないこともあります。そういうときに梁を出すと、屋根裏だった部分も室内に取り入れられて、高さを感じさせるのに役立ちます。この手法をリビングなどにうまく取り入れれば、体感面積が広がって、土地を余分に購入したぐらいの効果があるかもしれません。]]>
        
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    <title>003　収納が、空間を美しく見せる</title>
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    <published>2008-09-02T15:00:00Z</published>
    <updated>2011-03-30T06:08:49Z</updated>

    <summary>住みやすさを考える上で、かなりのウエートを占めるのが、収納のあり方です。旅先でホ...</summary>
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        <![CDATA[住みやすさを考える上で、かなりのウエートを占めるのが、収納のあり方です。旅先でホテルに宿泊すると非常にリラックスしますが、その理由は日常生活から切り離された解放感と、すっきり片づいた部屋にあります。仕事から疲れて帰宅したとき、ホテルの室内とまではいかなくても、部屋が片づいていると、ホッとするものではないでしょうか。 <br /><br /><br />　私はいつも、質感のある素材を使いながら、シンプルで飽きのこないインテリアを作るよう心がけています。でも、そこに日常生活に必要なものや荷物があふれていては、せっかくのディテールや素材たちも、何か別のエネルギーに埋没してしまうような気がします。空間を美しく見せるためには、いかに効率よく「収納」するかがポイントになります。出し入れに手間がかかる収納では、しまうことがおっくうになり、結局、荷物は出たままになってしまいます。やがて荷物は部屋に溶け込んでなじんでしまい、片づけようという気さえなくなります。その時点から、美しい空間が物に占領され始めるのです。 <br /><br /><br />　収納のために家具を買ったり作ったりすることも有効ですが、その場合もスペースと質感をふまえたトータルなプランニングが必要です。家具ばかりで占めると、空間は逆に落ち着きのないものになりますし、何よりもコストがかかります。それらを総合して、効率のよい収納方法を考えるべきです。 <br /><br /><br />　たとえば、玄関にスペースがあれば脇（わき）玄関を設けるといいでしょう。玄関から行き来できるドア一枚を仕切りにして、その内壁いっぱいに収納庫を作ります。靴を片づけたり、道具類、ビールケース、古新聞など、どの部屋にも属さないものをここに入れます。ホコリを遮断できれば、コートもかけられて便利です。げた箱のスペースしか取れなければ、廊下の部分に、ぜひ収納スペースを作りたいものです。 <br /><br /><br />　キッチン横にも三畳ほどの小さいスペースがあれば、キッチンがすっきりと片づきます。よくユーティリティーと呼ばれますが、このスペースは何か作業ができるほどの余裕は必要ありません。物が天井まで収納できて、キッチンから出し入れしやすく、ドア一枚で中の雑多なものを隠せれば、それで十分。さらに外部への勝手口が付けられれば理想的です。 <br /><br /><br />　そして、なんといっても収納の王道は、ウォークインクローゼットでしょう。私は一戸建てでもマンションでも、必ずウォークインクローゼットを設けるようにしています。これは施主の表現ですが、「まるで吸い込まれるように」物が入っていくのが、ウォークインクローゼットなのです。今までトータルにそろえられなかった収納家具も収まってすっきり片づき、空間そのものが生きてきます。そしてそれが住み心地へとつながってゆくのです。]]>
        
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    <title>004　「ウナギの寝床」を生かす知恵</title>
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    <published>2008-09-03T15:00:00Z</published>
    <updated>2011-03-30T06:08:49Z</updated>

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        <![CDATA[私は仕事柄、さまざまな土地で住宅を設計する機会があります。設計する側としては、やはり間口が大きく、土地が広い方が、家の格好も良くなり、内部のプランニングもしやすくなります。しかし、そのような土地になかなか巡り合えないのが、京都での仕事です。<br /><br /><br />京都はその昔、家の間口の大きさによって税金の額に差があったことから、「ウナギの寝床」といわれるような、間口が狭く奥行きが深い家が多くなりました。住宅メーカーの規格プランがもっとも当てはまらないのが、このタイプの土地であることからも、いかに欠点が多いか、お分かりいただけるでしょう。<br /><br /><br />その欠点とは、まず間口が狭いために、間口いっぱいに家を建てなければ、部屋の作りようがないということです。それは両隣の家に関しても同じこと。どの家もほとんど隙間なく、びっちりと家が建てられます。その結果、室内の明かりが得られにくく、風の通りも悪くなりがちです。<br /><br /><br />このような場合、奥行きの深さを生かし、むしろ道路から距離を持ったところに住空間を作り、そこまでは静かな中庭を感じながら通り抜ける渡り廊下を作るというのも一つの方法です。中庭によって、採光や風の流れも得られますし、お隣の窓の部分をうまくかわすことができれば、お互いのプライバシーも守れます。また、中庭に面した部屋には実際の面積よりも広々とした感覚が生まれ、間口の狭い土地にいる閉塞感もなくなり、ゆったりとしたくつろぎを感じることができます。<br /><br /><br />間口の狭い土地が抱えるもう一つの欠点は、廊下の幅や階段の幅をとることが即、間取りに影響することでしょう。そういう場合は、階段下をオープンにし、柱、側板などを一切使わずに、踏み板と蹴込み板のみの構造で強度を持たせ、階段を室内に取り込むという方法をとります。オープンな階段は、キッチンの真横にあっても全く違和感がなく、インテリア造作としても効果があります。また、階段上に天窓を付けると、階段だけでなく、下の部屋まで自然光が届くので、側面に多くの窓を設ける必要もなくなります。もちろん、1、2階の空気層は遮らなくてはならないので、2階の踊り場にはドアを付けるようにします。<br /><br /><br />このように少し視点を変えれば、通常、家が建てづらいと思われるウナギの寝床の形を生かし、独自性のある家が作れます。京都市内、とくに中心部では、住み手はもちろん、施工する者もプランする者も、さまざまな制限を受けます。しかし、それを逆手にとって、京都らしい工夫にあふれた住まいを作っていきたいと思います。 <br />]]>
        
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    <title>005　本物の素材が、愛着を育む</title>
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    <published>2008-09-04T15:00:00Z</published>
    <updated>2011-03-30T06:08:49Z</updated>

    <summary>住空間を作る目的は、雨風をしのぐという非常に単純なことから始まったように思います...</summary>
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        <![CDATA[住空間を作る目的は、雨風をしのぐという非常に単純なことから始まったように思います。しかし今日では、いかに快適に生活できるかが大きな目的になってきました。より快適に暮らすために、私たちは家を建てたり、リフォームをします。確かに、キッチンが新しくなり、リビングがフローリング張りになれば、それだけで、きれいな部屋に住める満足感が得られるでしょう。<br /><br /><br />でも、本当に日々の快適さを満たすためには、もっとさまざまな条件を満たす必要があります。その条件の一つとして、私がこだわっているのは「素材」です。それも、できるだけ本物の素材を使いたいと思っています。自然が長い時間をかけて作り上げた木材や石は、驚くほどの耐久性を持ち、その手ざわりを通して快適さを与えてくれるからです。<br /><br /><br />たとえば、無垢材を使ったフローリングは、最初少しざらざらとした足ざわりですが、使い込むほどに良いつやと色合いに変化します。また、無垢材は不快な湿気を吸収してくれるため、梅雨どきのべたべたした感じもありません。さらに吸音効果もあるので、部屋に落ち着きを与えてくれます。<br /><br /><br /><br />同じように、壁には土壁や綿のクロスなどの自然素材を使用すると、無垢のフローリングと同じような効果が得られます。これらの素材は、新建材のように施工が簡単ではなく、仕上がりも短縮できません。無垢のフローリングは大工さんが一枚一枚張り上げなくてはなりませんし、綿のクロスや土壁にも熟練の技が要求されます。その代わり、いま問題となっている新建材のビニールクロスやフローリングを張る際の接着剤による"シックハウス症候群"を招く心配もありません。<br /><br /><br />このほか、システム・キッチンや洗面の天板には、必ず御影石を使用するようにしています。これもキッチンの機能を考えた上で、もっとも適した素材だからです。大理石は水や酸によって表面が荒れるために適しませんが、御影石はビルの外壁などに使用されるほど大変に強く、いつまでも本来の光沢を失うことがありません。ステンレスのように磨き続ける必要も、人工大理石のように黄ばんでくることもないのです。<br /><br /><br />家を建てるとき、すべてのものに最適な素材を選ぶことが、とても大切だと私は考えています。使う素材や機能部品によって、仕上がりや満足度に大きな差が出てくるからです。表面をきれいにするだけでは、日々暮らすうちに満足度は薄れてゆくでしょう。しかし、良い素材や機能性にこだわった家は、使い込むほどに愛着が深まっていくものなのです。<br />]]>
        
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    <title>006　「和」の伝統美を受け継いでいく</title>
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    <published>2008-09-05T15:00:00Z</published>
    <updated>2011-03-30T06:08:49Z</updated>

    <summary>私は個人的には、和風の住宅がとても好きです。軒が低く、決して大きく見えないのに、...</summary>
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        <![CDATA[私は個人的には、和風の住宅がとても好きです。軒が低く、決して大きく見えないのに、厳選された素材を使って独特の存在感をかもし出している。そんな和風住宅のたたずまいを見ると、日本人の美意識の高さを感じないではいられません。<br /><br /><br />完全に「和」でまとめるのは、料亭や店舗に限られてしまいます。ただ、空間としては、和でまとめる方が作りやすいとも言えます。和の空間造作に関しては、先人が考慮に考慮を重ね、さまざまな工夫を尽くしているため、伝統的な造作に勝るものはほとんどないでしょう。数寄屋の大工さんが知っている納まりや、文献に残っている材料使いなどは、なるほどとうならされることばかりで、そこには新しいデザインが介在する必要のないほどの完成度があります。<br /><br /><br />その「和」の完成度を少し崩してアレンジするのが、現代の新しいライフスタイルの住宅を作る場合です。和室だけが独立している場合はともかく、LDKに隣接した和室を作るときは、和室をなるべくリビングルームに取り入れようと考えます。そのため、従来、和室の壁に使用してきた聚楽（じゅらく）塗りや聚楽風壁紙などは、あえて使用せず、リビングルームと同じ壁材で仕上げるようにします。この場合、リビングルームの壁もなるべくシンプルに仕上げ、一つの空間として広さを感じさせるようにします。また和室の床は、必ずリビングの床より一段上げて、高低差をつけるようにします。そうすることで、畳敷きでのっぺりと仕上がりがちな和室に、なぜか独特の奥行きが生まれてくるのです。<br /><br /><br />そのほか、私が好んで使うものに、七島蘭（しちとうい）というイ草を畳表に使用している琉球畳があります。このイ草は断面が三角形になっており、ふつうの畳よりも少し表面が荒く、やや高価ですが、柔道場の畳に使われるほど強いものです。この荒さが清涼感を生み、シンプルに仕上げた空間にうまい具合に納まります。また、障子のデザインやふすま紙も、とても大事な要素になります。<br /><br /><br />これ以外にも書ききれないほどの手法がありますが、現代の生活に合わせて「和」という形を少しずつアレンジする作業は楽しいものです。見た目や形が変化しても、和の伝統的な美しさと高い精神性は、ずっと受け継いでいかなくてはならないと考えています。]]>
        
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    <title>007　木造在来工法で、「つぶれにくい家」を建てる</title>
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    <published>2008-09-06T15:00:00Z</published>
    <updated>2011-03-30T06:08:49Z</updated>

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        <![CDATA[住まいを作る上で大切にしなければならないことは、とてもたくさんあります。住み心地であったり、機能性であったり、デザイン性であったり。それらは複雑にからみ合い、ひとつの「住まい」を形作ります。<br /><br /><br />しかし、それらの要素を盛り込む前に、最低限必要なことがあります。それは、構造の頑丈さ、平たく言えば「つぶれにくい家」を建てることです。近年、災害などで、自然の力の前に、いとも簡単に家が壊れてしまうのを目の当たりにすることがあります。老朽化の問題も合わせて、家を設計するときに「どのような工法の家を建てるのが良いですか」と相談を受けます。工法には、鉄筋コンクリート造り、鉄骨造り、2×4（ツーバイフォー）などがありますが、私が一貫してすすめるのは木造の在来工法です。"在来"というだけあって、昔からある家の建て方で、地震が多く湿度の高い日本の風土にもっとも適していると考えるからです。<br /><br /><br />木材は乾燥さえしていれば、年を追うごとに強度が増します。適切な柱・梁（はり）構造であれば、これほど耐久性があるものは、ほかにはほとんどないでしょう。ただ、「適切な構造」というのが大切で、あまり大きなスパンに大きな梁をつけても自重で梁が下がります。材木などを接合する際に行う木組みを金物で締結し、地震の大きな揺れで抜け落ちたり、外れたりしないようにすることも必要です。<br /><br /><br />在来工法をすすめるもう一つの理由に、増改築しやすいことがあります。しかし、それも構造を考えず、安易に2階を増築したり、柱を抜いて部屋を広くしたりすれば、家を弱くしてしまいます。<br /><br /><br />私は新築でもリフォームでも、当然のこととして、構造を優先した住空間を考えます。そのためには、リビングルームの真ん中に柱が立つことも、階段の横に柱が見えることもありますが、よほど邪魔な場所でない限り、支障になるものではありません。構造材は、家にとって本当に大切な"かなめ"です。それぞれの部材にふさわしい木材を使うことはもちろん、建てた後、シロアリに侵されないように、また木材に強度を持たせるように、乾燥した状態を保つことがポイントになります。<br /><br /><br />しっかりした地盤の上に確実な基礎工事を施して、構造力のある家を建てること。そして、その強度を末永く保つ工夫を、建築時に考えておかなくてはなりません。デザインは、その後にやっと付け足されるものなのです。]]>
        
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    <title>008　暮らしに合わせて、「造り付け」の家具を</title>
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    <published>2008-09-07T15:00:00Z</published>
    <updated>2011-03-30T06:08:49Z</updated>

    <summary>家に合わせて住む、既製品の家具を探してきて置く...。これは従来、多くの人が当た...</summary>
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        <![CDATA[家に合わせて住む、既製品の家具を探してきて置く...。これは従来、多くの人が当たり前のように受け入れてきた住まい方だと思います。古くからの日本の住居は、連続した畳敷きの部屋があり、その上に家具を置くという暮らし方でした。そのため、押し入れはともかく、造り付けの家具は最近になってやっと普及し始めたようです。<br /><br /><br />私も、造り付けの家具は、空間を有効に利用する上で、今や必要不可欠のものだと感じています。また、それは"収納力がある"という意味でも、大きな利点があります。実際に部屋が六畳あったとしても、本棚や洋服ダンスでスペースが埋まると統一性がなくなったり、デッドスペースができたりと、非常にバランスの悪い空間になってしまいます。<br /><br /><br />空間を有効に利用するためには、収納場所と実際に生活する空間スペースをあらかじめ明確に分けて考えることが大切です。まず、洋服がどのくらい、本は何冊くらいあるか、小物は...といった具体的な物の量によって収納スペースをとります。その残りのスペースに、机やベッドといった置き家具を納めるわけです。家具のデザインは、収納家具はなるべくシンプルにして、置き家具に個性を出すといいでしょう。また、部屋同士が隣り合っている場合は、必ず隣の部屋側に収納をとることも必要です。収納スペースが壁となり、気になる音の問題も解消されるはずです。<br /><br /><br />もともと家具は、それを使う人のためにオリジナルで作られていました。現在では、すべての家具をオーダーで造れる人はほとんどいませんが、できることなら自分の生活や持ち物に合った家具を作るのが理想的です。<br /><br /><br />家具でさえオリジナルが理想なのですから、家そのものはもっと、オーダーメイドで作ることが重要になります。人それぞれ、住む場所や生活習慣が違うのですから、家の方を人間に合わせなくてはなりません。そのような家を造るには、住み手の考えだけでは自ずと限界があるでしょう。そのために、私たちのような設計をする人間がいるのです。その仕事内容については、次の項で詳しくご説明しましょう。]]>
        
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    <title>009　家づくりは、設計者を味方につけて</title>
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    <published>2008-09-08T15:00:00Z</published>
    <updated>2011-03-30T06:08:49Z</updated>

    <summary>住宅設計という言葉を聞いて、みなさんはどんなことを思い浮かべるでしょう。まず、気...</summary>
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        <![CDATA[住宅設計という言葉を聞いて、みなさんはどんなことを思い浮かべるでしょう。まず、気になるのは「設計費用は一体どのくらいかかるだろう」ということかもしれません。規模や設計者によって多少の違いはありますが、通常、設計に必要な費用は総工費の7〜10％。たとえば3,000万円の住宅を建設すると、200〜300万円の設計費用がかかることになります。<br /><br /><br />この金額だけを取り出してみると、設計にそんなにお金をかけるぐらいなら、施工者に直接注文するか、規格住宅を購入する方がいい、と思われる方もおられることでしょう。実際、近年まではそのような方も多く、建築家に設計を依頼する人は限られていました。<br /><br /><br />でも最近は、個人のライフスタイルの違いが明確になるにつれ、設計に対する関心も高まってきました。また、さまざまな分野でハードとソフトに対する認識も問われるようになっています。そこで、建築にとってのソフト部門である設計にぜひ、興味をもってもらいたいと思います。<br /><br /><br />建築家に設計を依頼することは、オリジナリティーのある住宅を造る上で非常に大切です。私はまず施主と話し、どのような家族構成で、それぞれがどのように生活するか、といった情報をなるべく多く集めます。そして次に、建築する土地の環境や隣家との位置関係などの情報を集約します。それによって「南向きのリビング」とか「窓が多い」といった、一般的に良いと思われることがあてはまらない事態も出てくるのです。当然、風の流れや日照条件もチェックした上でプランニングを進めていきます。その過程では、八畳の部屋が欲しいとか、階段はここに、といった具体的な要望は、よほどのことがない限り、聞くことはありません。「どのように生活したいか」さえ伝えてもらえれば、何軒も家を手がけている私たちの方が情報量も多く、的確なアイデアを提示できると考えるからです。<br /><br /><br />あとは、こちらの出したプランニングと施主の希望とのすり合わせを何回も繰り返します。ひとつひとつの事柄に優先順位があり、最終的な決定権は施主にあります。私たちはあくまで、その手助けをする役目です。<br /><br /><br />家を建てることは、大変なエネルギーを必要とします。そうやって苦労して満足のいかない家に住むことほど、つまらないことはありません。設計者という味方をつけて、その大仕事に取り組むことは、施主にとって大きな利益があると信じています。<br /><br /><br />ただし、施主と設計者の感性が合うことが、とても大切なのですが...。]]>
        
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    <title>010　暖かいリビングが、団らんをつくる</title>
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    <published>2008-09-09T15:00:00Z</published>
    <updated>2011-03-30T06:08:50Z</updated>

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        <![CDATA[冬がやってくると、暖かく居心地の良い住まいの大切さを改めて思うものですね。人間が快適に感じる温度と湿度のバランスは一定で、それより高くても低くても不快に感じるものです。外部がどんなに寒くても、また逆に暑くても、部屋の中をある一定の温度に保つにはまず、家そのものを囲っている材料に、なるべく熱伝導率の低いものを使うことが必要です。<br /><br /><br />壁はサイディングよりも塗り壁が、屋根はカラーベストよりも瓦（かわら）の方が、外部からの温度伝達を抑えてくれます。そのような意味でも、「住まう7」に書いたように、昔からの建築工法の方が理にかなっていると言えます。また、室温を一定に保つには、部屋の気密性を高めることが大切です。そのために私は必ず、熱が出入りしやすい窓に「ペアガラス」を使うようにしています。<br /><br /><br />私が使うペアガラスは、外国製のものです。たまたま外国製品で、機能性、デザイン性と価格のバランスがとれているものを見つけたので、それを使うようにしています。日本人の生活が急速に西洋化したために、今までの文化ではどうしても補えない部分があります。住まいの建材も、海外のものを含めてたくさんの情報の中で選び、良いものは積極的に活用していきたいと考えています。<br /><br /><br />冬の生活をさらに快適にするのが、「床暖房」です。一般に床暖房というと、仕上げ材や施工範囲が限られており、ランニングコストも気になります。そこで、私は施工方法に工夫し、ランニングコストを抑えながら、無垢材のフローリングにも使えるような床暖房のスタイルを完成させました。この床暖房とペアガラスの窓を併用すれば、寒い冬でも暖かさが逃げず、室温そのものを一定に保つことができます。換気をしても寒く感じることがなく、とても快適に過ごせます。<br /><br /><br />床暖房や輸入の窓というと、何か贅沢のように思われそうです。でも、私の考えでは、子供部屋や寝室を必要以上に広く取ったり、装飾に凝ったりする方が贅沢に思えるのです。昔、日本ではいろり端に、外国では暖炉の周りに、人々が集まっていました。それがまさにリビングルームの原点です。私が住宅における住み心地、とくにリビングルームの居住性にこだわるイメージの原点でもあります。<br /><br /><br />居心地のよい子供部屋より、居心地のよいリビングルームを作ろうではありませんか。そこに家族が集まってこそ、団らんが生まれるのではないでしょうか。]]>
        
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    <title>011　家を住み継ぐ（1）＜空間が生み出すエネルギー＞</title>
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    <id>tag:www.livart.co.jp,2008:/test/column//3.29</id>

    <published>2008-09-10T15:00:00Z</published>
    <updated>2011-03-30T06:08:50Z</updated>

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        <![CDATA[私は設計という仕事を通して、住まいに対する自分なりの思い入れを形にして表現しています。それは、施主によって表現させてもらっていると言った方が正しいでしょう。私たちは施主の依頼により、一定の条件の土地や囲いの中に、目的の建築物を、限られた予算内で作り上げていく作業を行います。基本的なニーズをクリアできれば目的は達成されますが、素材使いや空間設定のしかた、全体のデザインによって、全く違う空間ができあがります。そこに建築士やデザイナーの表現の場が与えられます。施主もある意味で、その付加価値の部分を期待してくれているのだと思います。<br /><br /><br />施主が私の作るものの何を良しとして、仕事を依頼してくれているかは定かではありません。ただ私が一つの空間を見たとき、そこに静かなエネルギーと懐古を感じると、空間の中にたたずむ喜びを感じます。私の作る空間もまた、そのような要素を追求しているのだろうと思います。<br /><br /><br />空間が生み出すエネルギーとは、人の手が生み出すエネルギーにほかなりません。本当に不思議なことに、図面を書くときも、壁を塗るときも同じように、人の手がかかればかかるほど、そこに"何か"が生まれてきます。とても残念なことに、現在は昔のように建築に多くの手間をかけることが非常にむずかしくなりました。手間賃や施工方法の変化などで、職人さんが何年もかかって一軒の家を建てるなどということは、ほとんど不可能になってしまいました。そのせいか、建物としての形は成していても、何か希薄な印象しか感じない空間が増えているような気がします。<br /><br /><br />そんななかで、はっとするエネルギーを感じるのが、古い建物に出会ったときです。大量生産でなく、時間をかけたもの作りが許されていた時代にのみ感じられる質感と職人魂が、空間を通してひしひしと伝わってくるのです。ただ、そのような建物は往々にして、現代の生活や空間構成にはそぐわず、エネルギーを持て余して打ちひしがれた様相を呈しています。そんなとき、私は、その建物をよみがえらせたいと欲求に突き動かされるのです。<br />]]>
        
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    <title>012　家を住み継ぐ（2）＜先人の残した価値を、次世代へ＞</title>
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    <published>2008-09-11T15:00:00Z</published>
    <updated>2011-03-30T06:08:50Z</updated>

    <summary>精魂を込めて作られた古い建物には、時代を経た後に手を加えたとしても、それを受け止...</summary>
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        <![CDATA[精魂を込めて作られた古い建物には、時代を経た後に手を加えたとしても、それを受け止めるだけの器があります。主要な部分を残して解体を進める時点で、私たちにさまざまなイマジネーションを与え、新しく仕上がる部分に斬新さをもたらしてくれます。<br /><br /><br />古い建物に手を加えて住み継いだり、店舗として活用することは、ひとえに先人の残した価値あるものを動態保存していくことにほかなりません。そのときに気をつけることは、新建材を多用したり、表面的な手直しを施して、建物の良さを消してしまわないようにすることでしょう。<br /><br /><br />建物本来の持ち味を生かすには、それ相応の「素材」と「手」が必要になります。古い構造材などの味わいを生かすなら、なるべくシンプルで良い素材を組み合わせることが大切です。なぜなら、個性の強い素材ばかりを使用すると、空間は渾沌とし始め、古いものの存在感や新しく空間に加わるデザインが損なわれるからです。また、作り手である職人さんも、施工のしやすさを優先せずに、加工しづらい材料のことも十分に理解し、こつこつと作業することが求められます。私たちのわがままを根気よく形に作り上げてくれる職人さんの力と、ほどよく洗練された上質の素材の力で、古い建物はやっとよみがえり始めるのです。<br /><br /><br />建築という仕事は、施主には分かりにくい専門的な部分が多く、設計や施工する側の良心や誠意がそのまま形となって、建てた後の快適さや建物の価値を左右することになります。私たち建築に携わるものはその責任を認識し、少しでも多くの喜びを使い手に感じてもらえる建物を作らなくてはなりません。<br /><br /><br />古い建物も、これから作っていく新しい建物も、知恵と工夫を凝らした「心ある仕事」を続けていきたいと思います。そして、次の世代の施主や建築士が私たちと同じようにイマジネーションを感じて、受け継いでくれるような価値ある建物を作っていきたいと願っています。<br /><br /><br />]]>
        
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